アジア イエネコの歴史

〇アジアに広がっていくネコ

 エジプトで大事にされてきたイエネコですが、蛇や主にネズミ対策としてギリシャ経由でヨーロッパへ。

アジアでは、シリアやメソポタミア(今のイラク近辺)、さらにインドへと広がっていきます。

 ネコがインドに入ってきたのは、仏教を手厚く信仰したクシャーナ朝(1世紀~3世紀)の頃で、

貴重な仏典を守るために寺院がネズミ対策にネコを飼うようになっていきました

ただペット(愛玩動物)としてではなく家畜としての一面が強かったようです。

 仏教が伝わっていく中、仏典を守るためにネコは中国、果ては日本まで伝わってきます。

中国ではネコは紀元前頃に伝わり、中国で仏教が盛んになった西晋王朝(265~316年)辺りには

仏教のお寺でネコが広く飼われるようになっていきます。そのうち、唐の時代(7世紀頃)には一般庶民にまで広まっていきました。

 日本には7世紀頃、遣唐使によって仏典と共にネコが持ち込まれ、平安時代では朝廷の宮廷内で大切に飼われていました。

 東アジアではシルクロードなどの交易で使われる絹や原料の繭

仏教の経典をネズミの被害から守るため、ネコはとても大切な存在だったようです。


〇文化的イメージとしてのネコ

 大切な食べ物や貴重な仏典を守る為に大活躍していたネコですが、

ネコの持つ習性により、文化的にはあまり良いイメージを待たれないことも多かったようです。

 ペルシャ(今のイラン近辺)やインドでもネズミ対策としての実用性は認められつつも、

ネコの捕食する時に見せるどう猛さとそれ以外の安らかに丸まっている時の様子の差から、

偽善や裏切り物などの負の象徴する動物として詩や逸話集などの芸術では表現されていました。

 ゾロアスター教(拝火教、古代ペルシャ発祥の宗教)が崇拝されていた地域では、

ネコのように人のいうことを聞かない動物は悪魔の作った動物として悪い動物と考えられていました。

 さらに、ヒンドゥー教では唾液は不浄のものとしているので

、自分の体をなめて綺麗にする習性もありネコは嫌悪されていたようです。

 中国でも野良猫は「狸」(「り」と呼び、タヌキの事です)と呼ばれ、

美女に化けて精気を吸い取る妖として恐れられていました

日本でも化け猫として人を脅かす存在として描かれる文学作品も多数ありますね。

一方 イスラム世界では、ネコは犬よりも優遇されていました。

今のペットのように扱われ、飼い主にキスされたり一緒に寝たりして可愛がられていたようです。

 また、仏教大国タイでは「猫詩集」という書物に登場する17種類の

ネコを大切にすると家に幸運が呼びこまれると書かれ、

イスラム世界同様、家族のように大切にされる文化があるようですよ。

<参考文献>

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