活字ってなんだろう?

ときどき「若者の活字離れ」という言葉を

聞くことがあると思いますが、

そもそも『活字』とは どういう物なのでしょうか?

今回はそんな活字についてまとめてみました。

【目次】

本・書籍の文字は正しくは活字ではない?

”活版印刷”とは?


本・書籍の文字は正しくは活字ではない?

世間ではよく本や書籍に印刷された文字を

「活字」と呼んでいます。

意味は間違ってはいないのですが、

実は今の技術で印刷された文字は

正しくは「印字」(※1)と呼ばれ

本来の活字とは少し違う物なのです。

元々の「活字」(※2)とは

活版印刷に使われる文字の事を指します。

主に近代(明治・大正頃)における

本やポスターなどの印刷物は、

活版印刷だったので

その名残で、現在でも印刷文字の事を「活字」と呼んでいるのでしょう。


”活版印刷”とは?

”活版印刷”とは15世紀のドイツ技術者グーテンベルクが

ぶどう搾り機を利用して作った印刷技術です

鉛の合金で作った活字(金属製のハンコ)を

組版(※3)に並べます

次に組版にインクをまんべんなく塗り

紙を組版にズレないように重ねた後、

紙と組版に一定の圧力をかけて印刷します。


【参考動画 

その手が文字をつくるまで ~活版印刷の職人たち~ 活版印刷の流れ】

https://youtu.be/TdacEGm-Bks


活版印刷では、コピー・プリントではなかなか見れない

活版によるへこみや

印刷時の圧力によるインクのにじみ具合など

アナログ感のある独特な風味を出すことができます

印刷技術としては最盛期は過ぎてはいますが、

まだ、活版印刷技術を使っているところは

少なくはありますが残っているので

自分だけのオリジナルの名刺や結婚式の招待状用として

活版印刷を依頼してみるのもいいかもしれませんね。


(※1)印字

①文字を印する事、またはその文字を指す

②タイプライターや電信受信機、コンピューターの印刷機などで紙やテープに文字や符号を打つこと (広辞苑より)

(※2)活字

活版印刷に使われる字型。繰り返し使用するところから、

活きている字の意味。

方形柱状の金属の頂面に文字・記号を凸起させたもの。 (広辞苑より)

(※3)組版

印刷工程の一つ。

原稿指定・レイアウトに従って文字・図表・写真などを

1ページごとに印刷する形にまとめること。 (広辞苑より)

イメージとしては

木版の板印刷1ページ分=組版1ページ分(本1ページ分)

という感じです。 


【引用・参考文献】

〇<DNPの秀英体>その手が文字をつくるまで ~活版印刷の職人たち~ 活版印刷の流れ

https://youtu.be/TdacEGm-Bks

〇活版印刷職人・加藤隆男さんの「活字拾い、組版、印刷から裁断」まで

https://youtu.be/AoaxKEgDMic 

〇活字自家鋳造+書籍印刷所 豊文社の記録

https://youtu.be/jzZhLVwyWMU

〇グーテンベルグ印刷機のしくみ

https://youtu.be/DLctAw4JZXE (日本語訳付き)

https://youtu.be/DLctAw4JZXE(字幕なし)

『本をつくる -書体設計、活版印刷、手製本-

 職人が手で作る谷川俊太郎詩集』 

 鳥海修・高岡昌生・美篶堂・永岡綾 著 河出書房新社

広辞苑 第6版 岩波書店

ブリタニカ国際大百科辞典 2009年

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