グリザイユ技法 服の塗り方

デジタルイラストの塗り方には

アニメ塗りやブラシ塗り、厚塗りなど様々ありますが

その中の一つにグリザイユ塗り(技法)という塗り方があります。

今回は、このグリザイユ技法を使った

服の塗り方をご紹介します。

【目次】

初めに この記事読む前に

グリザイユ技法 服のモノクロ画の描き方

影の描き方

ハイライトの描き方

グリザイユ技法 服の色づけの仕方

〇通常色の色付け方

〇白色系統の色付け方


初めに この記事読む前に

今回の記事ではグリザイユ技法を使う際、

『Procreate』というイラストソフトを使用しています。

参考画像の画面は、Procreateの物ですが、

レイヤー合成時の効果については

他のイラストソフトでも、ほぼ同じ効果でレイヤー合成することができます。

他のソフトでも使えるところは、太文字にしておきますので

この記事を読む際、参考にしてください。

細かいソフトの使い方については、

当サイトの『イラストの描き方』の目次に

各イラストソフト別に使い方について解説していますのでご覧ください。

(※各レイヤー合成の効果については、下記記事を参考にしてみて下さい。)

また、今回紹介する塗り方は、

私が実際イラストを描いている時に使っている描き方の手順です。

モノクロ画の書き方やイラストの色付け方・色の調整などは人によって違うので、

グリザイユ技法の書き方の一つの参考記事としてお読みください。

グリザイユ技法 服のモノクロ画の描き方


(※1)今回、色塗りに使う色は 

  あらかじめイラスト画左上に準備しておきました。

  色の横にRGB値を載せておきましたので、参考にしてみてください。

  RGB値の入力方法は下記の記事を参考にしてください。


まず グリザイユ技法での下地絵(モノクロ画)を描くために

モノクロ画の基礎となる

下地べた塗り用の新規レイヤーを作ります

新しく作ったレイヤーを選択した状態で

画面左上の灰色を、服の部分にべた塗りします。

この時、このべた塗り部分が

モノクロ画の基礎(塗る所・塗り重ねる場所判定)になるので、

塗り残しの無いようによく確認してください


〇影の描き方

モノクロ画の大まかな影を描いていきます。

まず、大まかな影用の新しいレイヤーを追加します。

追加したレイヤーを”はだ下地”レイヤーの上に移動させ、

クリッピング設定にします

次に 追加したレイヤーのレイヤー合成設定を

『乗算』に設定します

次に大まかな影を塗るブラシを選びましょう

ブラシは 描く人の好みにもよりますが、

初めてグリザイユ技法を描く人は

エアーブラシから始めることをオススメします

デジタルイラストを描きなれている人は、

好みのブラシを選んでください。

ブラシの色は、先ほど下地塗りで使った灰色をそのまま使います

ブラシを選んだら、

光源の位置を意識しながら 大まかな影を描きこみます

※今回のモデルキャラクターは、女性なので

 胸部分は おっぱいによってできる影が

 うっすら入ります。(ピンク線部分)

大まかな影を塗ったら、

次は影(メイン)を塗る新しいレイヤーを作ります

追加したレイヤーを”大まかな影”レイヤーの上に移動させ

クリッピング設定にします

さらに、追加したレイヤーのレイヤー合成設定を

『焼き込み(リニア)』に変更しましょう。

影(メイン)を塗るブラシを選びます

ブラシは

初心者の人やや硬めのエアーブラシか水彩ブラシを選ぶと

描きやすいと思います。

ブラシの色は 下地の色をそのまま使います

服の種類や形にもよりますが

今回のようなセーラー服を着た女性で

光源が人物の上にある場合、

上の画像の青い部分のように 影ができることが多いです

影(メイン)を塗っていきます

光源の位置を 先ほどの画像(青色で影のでき方を解説した絵)を

参考に影を描いていきます。

物体の段差が緩やかなところは、ぼかしブラシを使って

影を整えます


ハイライトの描き方

ハイライトを塗っていきます。

ハイライト用の新しいレイヤーを作ります

次に 新しく追加したレイヤーを”影(メイン)”レイヤーの上に移動させ

クリッピング設定にします

レイヤー合成設定は

『スクリーン』に変更しましょう。

ハイライトを塗るブラシを選びます。

影(メイン)を塗ったブラシと同じブラシを選びましょう

ブラシの色は、下地と同じ色をそのまま使います。

光源が人物の上にある場合、

上の画像の黄色部分(ハイライト部分)のように ハイライトが入ります。

ハイライトは光源側の物体の上部分と

物体のりんかくに沿って入ることが多いです。

ハイライトを塗っていきます

光源の位置を 先ほどの画像(黄色でハイライトの入り方を解説した絵)を

参考にハイライトを描いていきます。

影と同様に 物体の段差が緩やかなところは

ぼかしブラシで形を整えていきます。

下地・影・ハイライト等のモノクロ画が書き終えたら

各レイヤーを下地レイヤーに結合・統合して

一枚のレイヤーにまとめます

モノクロ画を一枚にまとめておくと、

レイヤー数が一気に減るので

レイヤーの管理が楽になります。


グリザイユ技法 服の色づけの仕方

モノクロ画を元に

イラストに色付けしていきます

通常色と白系統の色を付けるとき、

レイヤー合成設定の関係で

白色系統は 他の色と異なり

特殊な色の付き方をします。

なので今回は通常色と白系統色の色付け方を

分けて説明していきます


〇通常色の色付け方

まず、服色用の新しいレイヤーを作ります。

追加したレイヤーを

統合・結合して一枚にまとめたモノクロ画レイヤーの

上に移動させ

クリッピング設定にします

次に レイヤー合成設定を

『オーバーレイ』に変更します

追加したオーバーレイ設定のレイヤーに

画像左上の濃い青と下の赤色を使い

服の各部分にべた塗りします。

するとオーバーレイ合成により上の画像のように色が付きます。

ただ、このままだと 影が濃い所が

少しくすんだ色になってしまうので、

影色を別のレイヤーで色付けします

服(影色)用の新しいレイヤーを作ります。

追加したレイヤーを、

オーバーレイ設定している服の各部分色レイヤーの上に移動させ

クリッピング設定にします

次に、追加したレイヤーのレイヤー合成設定を

『ハードライト』に変更します。

このように 

オーバーレイ+ハードライトと

配色レイヤーを重ねて合成する

上記イラストのように色が付きます。

もし、着色した色が暗いと感じたら

着色レイヤーをもう一枚複製

レイヤー設定を

『覆い焼き』または『追加・発光』に設定

重ねると

配色に明るさを追加することができます

追加したレイヤーの濃度を変えるなどして、

好みの明るさになるよう調節してみてください。


〇白色系統の色付け方

次に白色系統の色付け方を説明します。

グリザイユ技法で白色系統を着色するとき

通常色と同じ方法で着色・合成すると

白色の明度(明るさ)が明るすぎて、

モノクロ画でせっかく書いた影部分が

合成によってうまく反映されず、

消えてしまいます。

なので、白色系統の色を着色するときは

少し合成の方法を変えます。

まず、通常色と同じように

白色部分用の新しいレイヤーを作ります。

追加したレイヤーを

統合・結合して一枚にまとめたモノクロ画レイヤーの

上に移動させ

クリッピング設定にします

次に レイヤー合成設定を

『オーバーレイ』に変更します

追加したオーバーレイ設定のレイヤーに

白色(今回は画面左上の白色”R:255 G:255 B:255”)を

白色にしたいところ全体べた塗りします。

するとオーバーレイ合成により上の画像のように色が付きます。

ただ、このままだと 影が濃い所が

くすんだ色として出てしまうので

影色を別のレイヤーで色付けします。

影色用の新しいレイヤーを作ります。

追加したレイヤーを、

オーバーレイ設定しているメインの白色レイヤーの上に移動させ

クリッピング設定にします

次に、追加したレイヤーのレイヤー合成設定を

『ハードライト』に変更します。

追加したハードライト設定のレイヤー

メインの白色より

少し暗めの色、または、少し色味の強い色を

白色部分全体にべた塗りします。

すると ハードライト合成設定の効果で

影濃すぎて黒ずんでいたところに 影の色が付きました。

これで、グリザイユ技法での服の塗りが完成です。

服の塗りは服に使われている材質(絹や綿、皮製品など)によって 

色の付け方が変わります。

表現したい布の材質をよく観察して

色付け方を研究してみると

より 表現の幅が広がると思いますよ。

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