動物文様 西洋でのイメージ・意味は?①

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西洋では 動物とはどういう

イメージ・意味を

持つのでしょうか?

今回は西洋での主な動物文様の持つ意味に

ついてまとめました。

【目次】

〇ライオン・獅子

〇鹿

〇うさぎ

〇ヘビ


〇ライオン・獅子

ライオン・獅子紋は 

古代メソポタミア(※1)・

ペルシア(※2)などで

太陽の力に匹敵する力を

持つ動物とされ

聖なる場所を守る聖獣として

墓や門によく刻印されました。

また ライオンは百獣の王と

されたことから

ヨーロッパでは勇士や権力者に

ふさわしい動物と考えられた為

紋章(※3)に

よく好んで使われました。

初期キリスト教美術では

獅子紋は 救世主の象徴であり、

聖書の福音書を記したマルコ(※4)

の象徴ともされ

重要な紋章とされています。


(※1)メソポタミア

世界最古の文明発祥地の一つ。

西アジア、

チグリス・ユーフラテス河の間、

アルメニア高原からペルシア湾に

わたる地域。

エジプト文明に並ぶ 

アッシリア文明及び

バビロニア文明の発祥の地。

(※2)ペルシア

イランの旧称。

アケメネス朝・ササン朝・

サファヴィー朝・

カージャール朝などを経て、

1935年パフレヴィー朝が国号を

イランと改めた。

(※3)紋章

ヨーロッパで個人や家族などに

固有で、一定の規則によって

構成された

色付きの印。エンブレム

(※4)聖人マルコ

生没年月日未詳

キリスト教の聖人の一人

紀元後1世紀ごろ活躍した。

キリスト教の新約聖書の

『マルコによる福音書』の著者と

される。

マルコがイエス・キリストの生涯に

直接接したかどうかについては

暗示的な記事があるが

(マルコ福音書14・51-52)

推測の域を出ない。

エルサレムにあった彼の母マリアの

家は祈りのための信者の集会所であったと伝えられる。

4世紀末の伝説によれば

聖人マルコは アレクサンドリアに

教会を建てそこで死んだとされる。


〇鹿

鹿の角は切っても切っても

再度生えてくることから

再生や不死を象徴し

その角の粉末は滋養強壮の薬に

なると考えられています。

ギリシャ神話では 鹿は

月の女神アルテミス(※5)の

狩りの御供とされているなど

ヨーロッパで

狩猟紋によく使われました。


(※5)月の女神アルテミス

ギリシャ神話で主神ゼウスの子、

太陽神アポロンの双子の妹。

野獣や子供の多産を守る神であり

家畜の保護神。

また、狩・月の女神とされている。

ローマ神話ではディアナという

呼称になっている。



〇うさぎ

ウサギは 

キリスト教芸術においては

「豊穣」・「多産」「肉欲」の意味

と関連られるため、

恋人同士の足元によく描かれます。

また、ウサギは

キリスト教の復活祭(※6)にも

描かれる動物でもあります。


(※6)復活祭・イースター

キリスト教の救世主

イエス・キリストの復活を祝う

キリスト教最古・最大の祝日。

春分の後の満足に続く日曜日が

この祝日とされる。

復活祭に先立つ40日間を四旬節、

その最後の一週間を聖週間という。

この間、キリスト教会では

キリストの受難を

記念する典礼が行われ

復活祭前夜からはキリストの復活を喜びに包まれ、

カトリック教会では

復活祭前夜の典礼が行われる。


〇ヘビ

キリスト教圏でヘビは

人間の始祖である

アダム(※7)とイヴ(※8)の

イブを誘惑して禁断の果実を

食べさせ 楽園から追放される

原因を作ったことから

悪魔の象徴として表現します。

ヨーロッパ圏では

ヘビと龍(ドラゴン)は

同一視されることがあり

キリスト教美術では

聖人や大天使ミカエルなどの

天使たちに

退治される様子が

よく描かれています。


(※7)アダム(Adam)

キリスト教などの旧約聖書に

記される、

神の創造した最初の人間(男)。

神が塵に生命の息を

吹き入れて造られ、

万物を治める者とされたが、

神の戒めに従わず 

善悪の知識の実を

食べたために 

エデンの園から追放された。

この楽園から追放された事件の事を”原罪”と呼ばれる。

(※8)イヴ(エバ Eva)

旧約聖書でアダムの妻であり

人類最初の女性、母。

カトリック教会では 聖母は教会の母として

新しいエバとされる。

(西洋でのヘビ・ドラゴンに関する記事は下記リンクを参照してください。)


【引用・参考文献】

〇ヨーロッパの装飾と文様

 海野弘著 

 パイインターナショナル発行

〇ヨーロッパの文様事典

 早坂優子著  

 視覚デザイン研究所発行

〇広辞苑 第6版

〇ブリタニカ国際大百科事典         2009年

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