東洋のドラゴン入門

東洋の伝説で代表的な神秘的な生き物

『龍・竜』が挙げられるのではないでしょうか。

今回は龍について紹介してきます。

【目次】

霊獣・神に近い精霊として扱われた中国の龍

一人前の龍になるにはガマンと試練がいっぱい?!


霊獣・神に近い精霊として扱われた中国の龍

中国の伝承や神話に出てくる龍は

西洋の怪物の代名詞といわれるドラゴンと違い、

すさまじい霊力を持った精霊

またはほぼ神と同等の扱いをされています。

中国の龍の主な姿は九つの動物の特徴が合わさった姿(※1)

といわれており

頭はラクダ、目は鬼、角は鹿、首は蛇等など、

九種類の動物の優れた部分が組み合わさった 

とても優れた生き物として描かれています。

中国の竜は、水や雨を司るといわれていて、

体内にある気を使い、

雲を水や炎に変化させ天候を操る能力があるため 

中国神話でもより神に近い霊獣とされています。

ただ、そんな偉大でおとなしい龍ですが一つだけ弱点があります。

それは龍のアゴ下に一尺ほど(一尺=約30センチ※2)の範囲に

生える『逆鱗』という部分で、

そこに触ってしまうと 竜は怒り狂い、

周りの者たちをだれかれ構わず

かみ殺してしまうそうです。

どんなに心が広く大人しい龍でも  

欠点はあるみたいですね。


一人前の龍になるにはガマンと苦労がいっぱい?!

中国の神獣として名高い龍ですが、

初めから龍として存在できるわけではなく、

一人前の龍になるには、数千年の時間を生き延びなければ

成人(成龍)できないようです

中国の伝承では

生まれたばかりの龍は

一般に野生で生きている蛇と同じ姿をしていて、

この状態で500年生き続けられると蛟(みずち※3)といって

頭が蛇から魚の鯉のように変化し魚のような姿になります。

そこから千年生き続けられると 

角(ツノ)はないものの4本足と龍の頭やたてがみという

よく知られた龍に近い姿になることができます

そこから500年でやっと角が生え、

さらに千年生きることで手足などの四肢(しし)翼に代わり

竜の完全体「応竜」(おうりゅう)に成長することができるといわれています。

つまり成竜になるためには 少なくとも

3千年にわたる長い年月を生き続ける必要があるのです。

中国の言葉で『登竜門』(とうりゅうもん)という物があり、

意味は「困難ではあるがそこを突破できれば出世ができる」とされています。

竜の世界もこの言葉の通り、様々な困難な試練を乗り越えなければ

神獣として成りあがれない厳しい世界なのですね。

(※1)

中国の龍は様々な種類がいるとされているが

現在代表的な龍の姿は、後漢の王符という学者がまとめた特徴が元になっている。

頭はラクダ、目は鬼(一説ではウサギ)、角は鹿、首は蛇、腹は蜃(龍の一種)、

鱗は魚(主に鯉)、爪は鷹、手の平は虎、耳は牛という各部位別々の動物の特徴あわせもった

生物として記録されている。

(※2)一尺=30.3㎝

(※3)蛟(みずち)

想像上の動物。蛇に似ていて毒気を吐き、洪水を起こすなどして

人々に害を与えます。

漢の武帝時代(紀元前141年から87年頃)に釣り上げられた記録があり、

そこでは「蛟の身は紫色をしていて、

刺身にして食べたらものすごくおいしかった」

と記されているそうです。


【引用・参考文献】

〇ドラゴン

久保田悠羅とF.E.A.R著  新紀元社発行

〇幻想世界の住人たちⅢ《中国編》

篠田耕一著 新紀元社発行

広辞苑 第六版

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