荒魂・和魂とは? 日本神道応用
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【目次】
日本神道での”魂”の考え方
荒魂・和魂とは?
日本神道での”魂”の考え方
日本では神と似ている(または同等)の
霊的存在を示す言葉に
「タマ」・「モノ」・「オニ」などが
あり
特に「タマ」は霊魂を指す呼び名で
日本語の魂
(読み:タマシイ ※1)も
そこからきているそうです。
古来から始まり今日でも
日本では
人・動物だけでなく
植物・石などの鉱物、
山などの自然、言葉など
ありとあらゆるものに魂が宿る
とされ、
神道では
それら精霊の霊威(神の力)を
畏怖の念と敬意をもって
神として崇拝し
宮・祠を建てて祭っています。
この 全ての物に魂が宿ると
いう考えから
日本の小説や漫画などで
擬人化・物の人格化する文化が
あるといえるでしょう。
(※1)【引用・参考】
魂の語源:魂合う(読み:たまあう)
玉魂賜為 (北海道立北方民族博物館サイトより)
https://hoppohm.org/NC/curator/tumagari/tumagari16.htm
【補足】
日本神道では
人・動物・植物など
それそれの魂に優劣はあまり存在しない
というのも 神道とかかわりの深い仏教では
死生観で”輪廻転生”という
考えがあり、
人や生き物が死んだあとは
生前の業・行いによって
人やその他、草木や動物などに
生まれ変わる
という考えがあるからである。
荒魂・和魂とは
上記で説明しましたが
日本では 人・動物だけではなく
植物や石、山・河・滝などの
自然にも
魂・人格が宿ると考えられ、
それら魂の喜怒哀楽の感情が
自然災害や疫病、
不思議な現象として
周囲に影響をおよぼしていると
されています。
その状況を表す言葉として
「和魂(読み:にぎみたま)」と
「荒魂(読み:あらみたま)」が
あります。
和魂(にぎみたま)とは
静かに燃えるろうそくの火のように
穏やかに周囲に富や幸福を
与える神の一面を表す言葉で、
主に日本の人々は
この和魂(にぎみたま)に対し、
日々の幸せを願い、祈りをささげています。
一方、荒魂(あらみたま)は
激しい炎のように荒ぶり怒る
神々の荒々しい側面を表していて
荒魂によって祟りや疫病、
自然災害が起きると
恐れられています。
この恐ろしい荒魂(あらみたま)を
和魂(にぎみたま)に
変える方法としては
荒魂(あらみたま)に対して
祭祀(※1)を行い
荒魂が持つ怒りや荒ぶりを鎮めて
和魂(にぎみたま)の姿に
戻っていただく
というのが 日本神道での考え方なのです。
なので 日本の神社や祠などで
非道なことや失礼なことを行うと
祟りを起こすといわれるのは
和魂(にぎみたま)だった神様が
怒り狂い
荒魂(あらみたま)になって
禁忌や失礼なことをしたものに対し
容赦なく天罰を下すからだ
と言われています。
(※1)”祭祀”とは 何をするの?
祭祀・神祭りの基本的考えとしては
神を迎えて 酒や食事など
(神饌:しんせん)を捧げ
接待・もてなし 送り返すこと。
そもそも”祭り”という言葉は
“奉る”(たてまつる)という言葉からきており
神々に食事を捧げ その食事を下し
座りなおして共に食べ、飲みをすること
(直会:なおらい)で
神と人、人と人が結ばれることを
”祭り”という。
【引用・参考文献】
〇神道とは何か -神と仏の日本史
伊藤聡著 中央公論新社発行
〇妖怪学の基礎知識
小松和彦著 KADOKAWA発行
〇プレステップ神道学 第2版
國學院大學神道文化学部編 弘文堂社発行
〇決定版 知れば知るほど面白い 神道の本
三橋健著 西東社発行
〇知識ゼロからの神道入門
武光誠著 幻冬舎発行
【記事トップ絵参考文献】
〇境界の中世・象徴の中世
黒田日出男著 東京大学出版会発行


