東洋での『赤』のイメージ・文化の違いとは?

アジアでは、

赤・朱色はどのような意味を持った

色だったのでしょうか。

今回は 東アジアを中心に

赤に対する文化・イメージについて紹介します。

【目次】

魔除けとして使われた赤色

吉兆の色としての赤色

魔除けとして使われた赤色

昔から赤色は 世界各地で

命の象徴である血の色として重要視されていました。

中国を中心とした東アジアでも

赤色は血液に通じるとされ

古代では 死者の復活儀礼として使われたり

悪霊から死者を守るための魔除け効果として

使われていたようです

現在でも、赤=魔除けの考えは残っており

日本では 小豆(赤色の豆)の持つ

赤色の霊力・魔除けの力を頼るために

小豆(赤い豆、あんこなどに使われる※1)

炊きこんだ赤飯を祝い事の時に食べたり、

夏越祓神事(※2)に

小豆を使った水無月というお菓子を

食べるなどのしきたり・風習があります。


(※1)小豆(あずき)

マメ科の一年生作物。原産地は東アジア。

古くから食用に広く栽培される。

種子は大豆より小さく暗赤色。

あん・菓子などの材料になる。

和菓子によく使われるあんこは 

主に小豆などの豆類を煮込んで 

砂糖を加え練り上げたものである。

(※2)夏越祓(なこしのはらえ 夏越の祓とも)

毎年6月晦日(みそか 月の最後の日の事)に

行われる大祓の神事。

神社では参詣する人に

茅(読み:ち。多年草)の輪を

くぐらせて祓い浄める。

邪神を和(なご)めるために行うから

夏越祓(なごしのはらえ)と名付けられた。

別名 夏祓、みなづきのはらえ、茅の輪くぐり

補足》(ち、ちがや)

ちがやと呼ばれるイネ科の多年草。

原野に生える草で 高さ約60㎝ぐらいに成長する。

地下茎は横に広がり密集して生える。

茎・葉は日本の古い家屋の屋根の材料として

使われている。

吉兆の色としての赤色

赤色は 魔除けのほかに

吉兆・瑞祥

(きっちょう・ずいしょう 良いことの印)の色

としても使われています

主に 中国では結婚式などの祝い事の時に

赤い紙や布にめでたい文字・文章を書き

親戚などに配って祝います

他にも 大晦日に自宅の門に赤い紙を貼り

翌日の正月にその赤い紙をはがすことで

新年を迎える習慣が残っています。

日本でもめでたいときに配られる

紅白饅頭(こうはくまんじゅう)

祝い事の時に食べる赤飯を炊く習慣などから

赤色が 祝い時に使う色”吉兆・瑞祥”の色

という考え方が残っていることを

うかがい知る(推察)事ができますね。


※五行思想での赤色の意味についてのは 

下記記事を参考にしてください。


【引用・参考文献】

〇色彩博物館 

 城一夫著 明現社発行

〇日本の色のルーツを探して

 城一夫著 株式会社パイ インターナショナル発行

〇色彩の宇宙誌 -色彩の文化史

 城一夫著 明現社発行

〇かたちの謎を解く魔除け百科

 岡田保造著 丸善株式会社発行

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〇広辞苑 第六版 岩波書店 

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